胃腸炎
胃腸炎について
胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が起こる病気です。多くはウイルスや細菌などの感染が原因で、下痢や嘔吐、発熱、腹痛などの症状を引き起こします 。感染性の場合は「感染性胃腸炎」と呼ばれ、周囲への感染拡大に注意が必要です 。
胃腸炎の主な原因
- ウイルス性胃腸炎: ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因です。
- ノロウイルス: 秋から冬に流行しやすく、突然の激しい嘔吐や下痢、腹痛が特徴です。発熱を伴うこともあります。カキなどの二枚貝からの感染や、感染者の吐物・便からの接触感染、飛沫核感染でも広がります。
- ロタウイルス: 冬から春にかけて乳幼児に多く、嘔吐、下痢、重症化すると脱水症を引き起こすことがあります。ワクチンの普及により重症化するケースは減少傾向です。
- 細菌性胃腸炎: 病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因です。夏場に多く、「食中毒」として発症することもあります。腹痛、下痢、血便などが主な症状ですが、発熱を伴うこともあります。
胃腸炎の症状について
胃腸炎の主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、吐き気(悪心)です。発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などを伴うこともあります。症状の程度や期間は原因や個人差によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度で治まることが多いです。
主な症状
- 発熱: ウイルス性では37℃台、細菌性では38℃以上に達することもあります。
- 下痢: ウイルス性胃腸炎では水のような便(水様便)が特徴的です。
- 吐き気・嘔吐: 食べ物や胃液が主で、油分の多い食事で悪化することもあります。
- 腹痛: 波がある痛みが特徴です。
潜伏期間の目安
- ノロウイルス: 12~48時間
- ロタウイルス: 1~3日
- サルモネラ菌: 6時間~3日
胃腸炎の診断と検査について
メカマクリニックでは、患者様の症状や最近の食事内容、周囲の流行状況などを詳しく伺い、胃腸炎の原因を特定し診断を行います。
当院で行う可能性のある検査
- 血液検査・尿検査: 炎症の有無や脱水状態などを確認します。
- ウイルス抗原検査: ノロウイルスやロタウイルスなど、特定のウイルスの感染を迅速に診断できる場合があります。
- 糞便検査: 寄生虫や細菌の有無を調べます。
ウイルス性胃腸炎の場合、特効薬がないため、必ずしも原因ウイルスを特定する必要はありません。患者様の症状や流行状況に基づき、特別な検査を行わずに治療を開始することもあります。
胃腸炎の治療法について
胃腸炎の治療は、原因によって異なりますが、基本的にはつらい症状を和らげる「対症療法」が中心となります。
一般的な治療法
- 水分・電解質の補給: 下痢や嘔吐による脱水を防ぐため、少量ずつこまめに水分(経口補水液など)を摂取することが最も重要です。
- 安静: 胃腸を休ませ、体力回復に努めることが重要です。
薬物療法
- 整腸剤: 腸内環境を整え、下痢の症状を和らげるために処方されることがあります。
- 制吐薬: 吐き気が強い場合に処方されることがあります。
- 解熱鎮痛剤: 高熱や頭痛が強い場合に処方されることがあります。
- 抗菌薬: 細菌性胃腸炎で症状が長引く場合や重症の場合に、医師の判断で処方されることがあります 。ウイルス性胃腸炎には効果がありません。
- 止痢薬: 下痢は病原体の排出に役立つため、重度でない限り、使用は慎重に行われます。
予防・自宅でのケア
- 手洗い: 食事の前後やトイレの後には、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。
- 食品の衛生管理: 食品は十分に加熱し、調理器具も清潔に保ちましょう。
- 吐物・便の適切な処理: 感染性胃腸炎の患者さんの吐物や便を処理する際は、手袋やマスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウム液などで適切に消毒することが重要です。
- 食事: 症状が落ち着いてきたら、消化に良いもの(おかゆ、うどん、すりおろしリンゴなど)から少量ずつ摂取し、徐々に通常の食事に戻していきましょう。
受診を強く推奨する症状や状況
以下の症状や状況が見られる場合は、早めにメカマクリニックを受診してください。
- 嘔吐症状が強く、飲んだり食べたりできない
- 尿の量が少ない、または半日以上出ていない
- 泣いても涙が出ない(乳幼児の場合)
- 口や唇がひどく乾いている
- ぐったりしている、意識がもうろうとしている
- 激しい腹痛が持続する
- 嘔吐が2日以上続く
- 下痢が数日以上続く
- 血便が見られる
- 高熱が続く
- 生後6ヶ月未満の乳児や、基礎疾患がある乳児
- けいれんを起こすことがある(小児の場合)
よくある質問
Q1: 胃腸炎の時に食事は何を食べたらいいですか?
A1: 症状が落ち着くまでは、消化の良いもの(おかゆ、うどん、すりおろしリンゴなど)を少量ずつゆっくりと食べましょう。脂っこいものや刺激物は避けましょう。
Q2: 胃腸炎はうつりますか?
A2: ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎などの感染性胃腸炎は、人から人へうつることがあります。手洗いを徹底し、感染者の吐物や便の処理には十分注意が必要です 。
Q3: 市販薬を飲んでも大丈夫ですか?
A3: 市販薬の使用は自己判断せず、医師に相談することをお勧めします。特に下痢止めは、病原体の排出を妨げる可能性があるため注意が必要です 。
Q4: 子供が胃腸炎になった場合、どのようなことに注意すれば良いですか?
A4: 小さなお子様は脱水になりやすいので、こまめな水分補給が最も重要です 。嘔吐がひどく水分が摂れない、おしっこの量が少ない、ぐったりしているなどの脱水症状の兆候が見られたら、すぐに医療機関を受診してください 。
Q5: 妊娠中に胃腸炎になった場合、注意することはありますか?
A5: 妊娠中は免疫力が変化するため、症状が長引いたり、脱水になりやすくなることがあります。自己判断で市販薬を使用せず、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
Q6: 胃腸炎の後、いつから普通の食事に戻して良いですか?
A6: 症状が完全に治まり、食欲が戻ってから、少量ずつ通常の食事に戻していきましょう。油分の多いものや消化に負担のかかるものは避け、胃腸の様子を見ながら徐々に増やしてください。
Q7: 胃腸炎の予防接種はありますか?
A7: ロタウイルス胃腸炎には、予防接種があります 。これは乳幼児の重症化を防ぐ効果が期待できます 。ノロウイルスに対しては、現在有効なワクチンはありません。