disease

咳喘息

咳喘息について

咳喘息は、気管支喘息と異なり、喘鳴(ぜんめい:ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音)を伴わず、咳だけが長期間続く病気です。アレルギー性の炎症などにより気道が敏感になり、少しの刺激で咳が出やすくなっている状態(咳嗽反応の亢進)が原因と考えられています。

咳喘息の症状について

咳喘息の咳は、ひどくなると日中にも出ますが、特に「寝る前」「深夜」「早朝」に悪化するのが特徴です。そのため、夜中にひどい咳で目が覚めてしまうこともあります。

また、以下のような状況で咳が悪化しやすい傾向があります。

  • 季節の変わり目
  • 寒暖差の激しい時
  • 運動時
  • 喫煙(副流煙を含む)
  • 雨天
  • 花粉、黄砂
  • 会話、電話、歌を歌うこと
  • ストレス
  • におい

その他の症状として、「のどのイガイガ感(痒い感じ)」や「しめつけ感」、「胸の重たさ」を感じる方もいらっしゃいます。

通常、痰は伴わないか、伴うとしても白色で少量であることが多いです。発熱や喉の痛み、寒気、倦怠感などは伴わないことがほとんどです。

受診を強く推奨する症状や状況

  • 2週間以上(特に8週間以上)咳が続いている
  • 夜間や早朝に咳がひどくなり、睡眠を妨げられている
  • 咳以外に、熱や痰、息切れ、胸の痛みなどの症状がない
  • 市販薬を試しても咳が改善しない

咳喘息が考えられる原因

咳喘息の原因ははっきりとは解明されていませんが、アレルギー体質の方が発症しやすい傾向にあります。主な原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • アレルギー性炎症:気道のアレルギー反応により、気道が過敏になっている状態
  • アレルゲン:ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛などが咳を誘発するきっかけになることがあります
  • ウイルス感染:風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの後にも咳喘息が誘発されることがあります
  • 刺激物質:喫煙(受動喫煙含む)、特定のにおい
  • 環境要因:気温の寒暖差、気圧の変化
  • その他:ストレス、胃酸の逆流(逆流性食道炎を合併している場合)、肥満

複数の原因が絡み合って発症することも少なくありません。

咳喘息の診断と検査について

咳喘息の診断は、主に問診といくつかの検査を組み合わせて行われます。

  • 喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)を伴わない咳が3週間以上続くこと
  • 気管支拡張薬の投与で咳が改善すること
  • 季節性や日内差(特に早朝・深夜の悪化)を認めること

咳の持続期間が短い場合でも、咳喘息が強く疑われる場合には、8週間を待たずに治療を開始することがあります。

検査について

長引く咳の原因は、咳喘息以外にも肺炎、肺がん、肺結核、気管支喘息、鼻炎、胃食道逆流症など、様々な疾患が考えられます。そのため、正確な診断のためには、必要に応じて以下の検査を行います。

  • 問診:咳が出始めた時期、咳の性質(痰の有無、色など)、時間帯による変化、悪化要因、合併症の有無などを詳しくお伺いします。
  • 呼気一酸化窒素(FeNO)測定:アレルギー性の炎症が気道に起こると、吐いた息に含まれる一酸化窒素の量が増加します。この数値を測定することで、気道のアレルギー性炎症の有無を確認できます。
  • 血液検査:アレルギー反応の指標となる好酸球の数値などを確認することがあります。当院では、炎症の有無なども含め、その日のうちに結果を確認できる場合があります。
  • 呼吸機能検査:気管支喘息との鑑別のため、呼吸機能の状態を詳しく調べる場合があります。
  • 胸部X線検査:肺炎や肺結核、肺がんなど、他の肺の病気がないかを確認するために行います。当院ではデジタル撮影により、画像を即時に確認・説明できます。
  • CT検査:X線を使って体の断面画像を撮影する検査です。レントゲンでは分かりにくい微細な肺病変や、胸腹部臓器の状態などを高精細に描出できます。当院では院内および連携施設でCT検査が可能です。

咳喘息の治療法について

咳喘息の治療は、主に「吸入ステロイド薬」と「気管支拡張薬」を使用します。

  • 吸入ステロイド薬(ICS):気道のアレルギー性炎症を抑える薬です。効果を発揮するまでに数日かかりますが、炎症の根本的な改善を目指します。喘息への移行率を低下させる効果も報告されています。
  • 長時間作用型β2刺激薬(LABA):狭くなった気道を広げ、咳を和らげる効果があります。速効性がありますが、気道の炎症そのものには作用しません。

通常、これら二つの成分が配合された「吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬配合剤(ICS/LABA)」が標準的に使用されます。症状が安定してきたら、吸入ステロイド薬単独での治療に切り替えることもあります。

治療期間について

咳喘息の治療期間は、患者様の症状の重症度や経過によって異なります。症状が改善してもすぐに薬を中断すると、炎症が完全に治っておらず、再燃することがしばしばあります。

また、咳喘息と診断された方の3〜4割程度が、後に気管支喘息に移行すると言われています。吸入ステロイド薬の使用により、喘息への移行率が低下することが報告されています。

予防・自宅でのケア

  • アレルゲンの回避:ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛など、ご自身のアレルゲンを特定し、それらを避けるための環境整備が重要です。
  • 感染症予防:風邪やインフルエンザなどの感染症が咳喘息の引き金になることがあります。手洗い、うがい、予防接種などで感染を予防しましょう。
  • マスクの着用:ホコリっぽい場所や人混みではマスクを着用することで、アレルゲンや刺激物の吸入を防ぎ、気道の乾燥も防げます。
  • 禁煙:喫煙は気道に悪影響を与え、咳喘息を悪化させる要因となります。禁煙に努め、受動喫煙も避けるようにしましょう。
  • ストレス管理:ストレスも咳喘息に影響を与えると考えられています。十分な睡眠、適度な運動、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを溜めない工夫をしましょう。
  • 肥満の改善:肥満は気道を狭くする可能性があり、咳喘息との関連が示唆されています。

よくある質問

Q1: 咳喘息は他の人にうつりますか?

A: 咳喘息はアレルギー性の病気であり、感染症ではないため、他の人にうつることはありません。

Q2: 咳が長く続きます。咳喘息でしょうか?

A: 咳喘息は長引く咳の原因として日本では多い疾患ですが、咳の原因は多岐にわたります。自己判断せずに、医療機関を受診し、正確な診断を受けることが大切です。

Q3: 咳喘息は再発しますか(完治しますか)?

A: 咳喘息は再発することがあります。残念ながら、未来永劫に再発しないという完治方法は確立されていません。しかし、適切な治療を継続することで症状をコントロールし、喘息への移行を防ぐことが可能です。

Q4: 吸入薬を処方されましたが咳がよくなりません。

A: 咳が改善しない理由はいくつか考えられます。診断が異なる場合、吸入薬の使い方が適切でない場合、アレルギー性鼻炎や逆流性食道炎などの合併症がある場合などが挙げられます。再度、症状の経過を詳しくお伺いし、必要に応じて再検査を行うことで、原因を特定し、より適切な治療法を検討します。お一人で悩まず、メカマクリニックにご相談ください。

電話する電話する
公式LINE公式LINE
WEB予約WEB予約