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大動脈疾患

大動脈疾患について

大動脈は、心臓から全身へ血液を送る、人体で最も太い血管です。この重要な血管に異常が生じるのが「大動脈疾患」であり、特に「大動脈瘤」と「大動脈解離」が代表的な病気として挙げられます。これらの病気は、自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、重篤な状態に至る前に早期発見・早期治療が非常に重要です。

大動脈瘤とは

大動脈瘤は、大動脈が部分的に大きく膨らんでしまう病気です。正常な大動脈の太さは約20~30mmですが、30~40mm以上に膨らんだ状態を指します。主な原因は動脈硬化ですが、感染症や炎症性疾患によって引き起こされることもあります。動脈硬化は、血管の壁に脂肪が付着し、徐々に弾力性が失われることで血管が脆くなり、瘤ができやすくなります。瘤が大きくなると破裂のリスクが高まり、破裂すると非常に危険な状態に陥ります。

大動脈解離とは

大動脈は、外膜、中膜、内膜の3つの層で構成されています。大動脈解離は、大動脈の内側の膜(内膜)に傷ができ、そこから血液が中膜に流れ込むことで血管が縦に裂けてしまう病気です。これにより、血液の流れる道が2つになってしまい、血管の壁が薄くなるため破裂しやすくなります。特に心臓から出てすぐの上行大動脈に発生した場合、命にかかわる重篤な状態となることがあります。主な原因は高血圧や動脈硬化が関連しており、急性大動脈解離を起こした方の約70%が高血圧症を患っているとされています。先天性疾患や遺伝的要素(マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群など)、妊娠中のホルモン変化、交通事故などによる外傷も原因となることがあります。

大動脈疾患の症状について

大動脈瘤の症状

大動脈瘤は、膨らんでいる部分が破裂するまではほとんど自覚症状がないことが多いです。しかし、瘤が大きくなると、周囲の器官を圧迫することで、咳、嘔吐、誤嚥、顔のむくみなどの症状が現れることがあります。また、破裂する直前には、非常に強い胸の痛みや背中の痛み、腹痛、腰痛を感じることがあります。ご自身で「脈打つお腹の腫れ物」を自覚される方もまれにいます。

大動脈解離の症状

大動脈解離は、突然、胸や背中に激しい痛みが生じることが特徴的です。しばしば「バットで殴られたような」と表現されるほどの強烈な痛みです。血管が解離することで全身に血行障害が起こり、手足の冷えや腹痛、腰痛などが現れることもあります。合併症として、心筋梗塞や脳梗塞、失神、手足の麻痺、下血などを発症するケースもあります。

このような症状が見られたら、すぐに救急車を呼ぶなど、緊急で医療機関を受診してください。

大動脈疾患の診断と検査について

大動脈疾患の診断には、画像検査が非常に重要です。メカマクリニックでは、患者様の状態に応じた適切な検査を行い、早期発見・早期治療に繋げます。

  • 胸部X線検査(レントゲン検査): 大動脈の拡大を疑う手がかりとなる基本的な検査です。当院ではデジタル撮影により、画像を即時に確認・説明できます。
  • CT検査(コンピュータ断層撮影): 造影剤を使用することで、大動脈の状態をより明確に映し出し、大動脈瘤の有無、その大きさ、解離の状態などを詳しく調べることができます。特に脳出血の発見に有効です。当院では、高速回転するX線管でらせん状に撮影する最新のマルチスライスCTを導入しており、短時間で高精細な断層像を取得できます。
  • MRI検査(磁気共鳴画像): 強力な磁石と電波を使って、体内の詳細な断面画像を撮影します。放射線被ばくの心配がなく、脳梗塞や脳腫瘍の早期発見にも役立ちます。当院では当日検査も可能です(要相談)。
  • 心臓エコー検査(超音波検査): 超音波を用いて心臓や大動脈の動き、弁の状態、血流などをリアルタイムで観察します。体に負担がなく、繰り返し行える検査です。
  • 血管造影: 血管の走行や狭窄、動脈瘤の形状などを詳細に評価するために行われることがあります。

大動脈疾患の治療法について

大動脈疾患の治療法は、病状や進行度によって異なります。

大動脈瘤の治療

  • 生活習慣病の改善: 動脈硬化が原因となることが多いため、高血圧、脂質異常症(高コレステロールなど)、糖尿病などの生活習慣病の管理が非常に重要です。
  • 薬物療法: 瘤が小さい場合や破裂の可能性が低い場合は、降圧薬などの薬物治療を行いながら、定期的な検査で経過を観察します。
  • 手術: 瘤が大きくなっている場合や破裂の危険性がある場合は、手術が検討されます。
    • 人工血管置換術: 瘤のある部分を人工の血管に置き換える手術です。
    • ステントグラフト内挿術: カテーテルを用いてステントグラフト(人工血管の一種)を留置し、瘤への圧力を軽減して破裂を防ぐ治療法です。足の付け根の大腿動脈から挿入するため、開胸手術よりも侵襲性が少なく、高齢の患者様でも行われるケースがあります。

大動脈解離の治療

解離の範囲や破裂の有無によって治療法は異なりますが、緊急手術が行われることも少なくありません。

  • 緊急手術: 心臓から出てすぐの上行大動脈が裂けているケース、大動脈の急激な拡大、臓器の血流障害、激しい痛みが顕著な場合は緊急手術が必要です。解離した部分を人工の血管に置き換える人工血管置換術が行われます。
  • ステントグラフト内挿術: 危険度が極めて高い水準に至っていないときや裂けている部位によっては、カテーテルを用いたステントグラフト内挿術で治療を行うこともあります。
  • 血圧を下げる治療: 緊急手術が必要ではないケースでも、入院して血圧を下げる治療を行い、解離の進行を抑えます。その後も定期的なCT検査で経過を観察することが重要です。

自宅でできる対処法やセルフケア

大動脈疾患は専門的な治療が必要な病気ですが、日頃の生活習慣が発症や進行に大きく関わります。

  • 高血圧の管理: 血圧が高い方は、医師の指示に従い、薬をきちんと服用し、規則正しい生活を送るようにしましょう。
  • 動脈硬化の予防: バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレスの軽減を心がけ、動脈硬化の進行を防ぎましょう。
  • 定期的な健康診断: 自覚症状がない場合でも、定期的に健康診断や人間ドックを受診し、ご自身の体の状態を把握することが大切です。特に、60歳以上の男性は動脈瘤のリスクが高まるため、定期的な心エコー検査をおすすめします。メカマクリニックでは、各種健康診断、人間ドック、脳ドックを提供しております。
  • 異変を感じたら受診: 突然の胸や背中の激痛、お腹の痛みなど、大動脈疾患を疑うような症状が現れた場合は、迷わずすぐに医療機関を受診してください。

よくある質問

Q1. 大動脈瘤と大動脈解離は同じ病気ですか?

A1. いいえ、異なる病気です。大動脈瘤は血管が風船のように膨らむ病気で、大動脈解離は血管の壁が縦に裂ける病気です。どちらも重篤な状態に至る可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。

Q2. 大動脈疾患はどのような人がなりやすいですか?

A2. 主に高血圧や動脈硬化のある方、高齢の方に多く見られます。その他、先天性疾患(マルファン症候群など)や、妊娠中の方、外傷を負った方もリスクが高まることがあります。

Q3. 自覚症状がなくても検査を受けるべきですか?

A3. はい、強くお勧めします。大動脈疾患は、破裂するまで自覚症状がないことが多いからです。特に、高血圧や動脈硬化の指摘を受けている方、ご家族に大動脈疾患の方がいる方は、定期的な健康診断や医師への相談を検討してください。メカマクリニックでは、CTやMRIによる精密検査が可能ですので、お気軽にご相談ください。

Q4. メカマクリニックではどのような検査ができますか?

A4. 当院では、レントゲン検査、CT検査、MRI検査、エコー検査(心臓エコー、頸動脈エコーなど)といった画像診断を中心に、大動脈疾患の診断に必要な各種検査を行っています。CTやMRIは院内または関連施設で対応可能です。

Q5. 治療後はどのような生活を送ればよいですか?

A5. 治療後も、動脈硬化の進行を防ぐための生活習慣の改善が重要です。医師の指示に従い、定期的な通院や検査、薬の服用を継続し、血圧管理や食事、運動に気をつけましょう。ご不明な点は、いつでも医師にご相談ください。

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