disease

腱鞘炎

腱鞘炎について

腱鞘炎とは、手や指を動かす「腱」という組織と、その腱を包む「腱鞘」というトンネル状の組織との間に炎症が起こる状態を指します。腱と腱鞘が摩擦を起こし、痛みや熱感、腫れといった症状を伴い、日常生活に支障をきたすことがあります。手首や指には多くの腱と腱鞘が存在するため、様々な部位で発症する可能性があります。

特に多い腱鞘炎として、手のひらの指の付け根に多い「ばね指」や、手首の親指側に起こる「ド・ケルバン病」が挙げられます。

腱鞘炎の症状について

腱鞘炎の症状は、発生する部位によって異なりますが、一般的に以下のものが考えられます。

  • 手のひら側の指の付け根の痛み、腫れ、熱感: 特にばね指で多く見られます。
  • 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない、引っかかりを感じる: 指を伸ばそうとすると、カクンとバネのように勢いよく動く「ばね現象」が特徴的です。
  • 指のこわばり、動かしにくさ: 特に朝方に症状が強く現れることがあります。
  • 指が曲がったまま伸ばせない。
  • 手首の親指側の腫れ、痛み: ド・ケルバン病で多く見られます。
  • 物を持つときや瓶の蓋を開けるときなどの手首の痛み。
  • 手首を動かしづらい、回しづらい。

これらの症状は、初期には違和感程度であっても、進行すると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

受診を強く推奨する症状や状況

以下のような症状や状況が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

  • 痛みが強く、日常生活に支障が出ている。
  • 指が完全に伸びなくなったり、曲がったままになってしまった。
  • 痛みが数日経っても改善しない、あるいは悪化している。
  • 安静にしていても痛みが続く。
  • 患部に熱感や腫れが強く、赤みがある。

腱鞘炎の考えられる原因

腱鞘炎の主な原因は、手や指の使い過ぎによる腱と腱鞘の摩擦です。以下に具体的な原因を挙げます。

  • 手や指の酷使
    • パソコン作業(タイピング、マウス操作)
    • スマートフォンの長時間使用(特に親指を酷使する操作)
    • 家事(料理、掃除、洗濯、育児など)
    • スポーツ(テニス、ゴルフ、野球など、手首や指を使うもの)
    • 楽器演奏
    • 手先を使う仕事(美容師、医療従事者など)
  • 性ホルモンの影響
    • 更年期や妊娠・出産期の女性に多く見られます。女性ホルモンの分泌量が変化することで、腱鞘がむくみやすくなると考えられています。
  • 体質・身体的特徴
    • 筋力の弱い女性は、腱に負担がかかりやすいため発症リスクが高まります。
    • 糖尿病がある方は、腱や腱鞘の組織が変性しやすいため発症しやすい傾向があります。

腱鞘炎の診断と検査について

当院では、腱鞘炎の診断のために、まず患者様の症状について詳しくお話を伺う問診と、患部の状態を直接確認する触診を行います。

  • 問診・触診: 痛みの場所、どのような動作で痛むか、いつから症状があるかなどを詳しくお伺いし、患部の腫れや熱感、圧痛などを確認します。
  • エコー検査(超音波検査): 超音波を用いて、腱や腱鞘の炎症、肥厚の有無などをリアルタイムで確認できます。腱鞘炎の診断に非常に有効であり、痛みがなく体に負担の少ない検査です。
  • レントゲン検査: 他の疾患(骨折、関節の変形など)との鑑別が必要な場合に、骨の状態を確認するために行うことがあります。

腱鞘炎の治療法について

腱鞘炎の治療は、症状の程度や原因によって様々な方法があります。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法をご提案し、早期の回復を目指します。

保存療法

主に以下の治療を組み合わせ、炎症を抑え、痛みを和らげることを目指します。

  • 安静: 患部に負担をかけないことが最も重要です。テーピングや専用のサポーター(装具)を用いて、患部を安静に保ちます。
  • 薬物療法:
    • 内服薬: 炎症を抑え、痛みを和らげる非ステロイド性消炎鎮痛剤などを処方します。
    • 外用薬: 湿布や塗り薬を用いて、局所の炎症を抑えます。
  • 注射: 痛みが強く、早期に症状を改善したい場合には、腱鞘内にステロイド注射を行うことがあります。炎症を抑える効果が期待できます。
  • 体外衝撃波治療: 身体の外から患部に向けて衝撃波を照射することで、治りづらい筋肉や腱の痛みを軽減する効果が期待できます。当院では、この治療法にも対応しております。(※体外衝撃波治療は、現在のところ保険適用外となります。)
  • リハビリテーション: 症状が落ち着いてきたら、理学療法士や作業療法士による運動療法やストレッチ指導を行います。手や指の柔軟性を高め、再発予防にも繋がります。

手術療法

保存療法で改善が見られない場合や、症状を繰り返す場合には、手術を検討することもあります。腱鞘を切開し、腱の通り道を広げることで、摩擦を解消します。手術が必要と判断された場合は、提携する専門病院をご紹介いたします。

自宅でできる対処法やセルフケア

腱鞘炎の予防や症状の緩和には、ご自宅でのケアも非常に大切です。

  • 患部の安静: 手や指の使い過ぎを避け、痛みのある動作は控えるようにしましょう。
  • ストレッチ: 手首や指のストレッチを、痛みが出ない範囲で定期的に行いましょう。特に、作業の前後や合間に行うのが効果的です。
    • 手首の腱鞘炎チェック: 手の甲を合わせ、指先を下に向けるストレッチ。
    • ド・ケルバン病のチェック: 親指を中に握り込み、小指側に手首を曲げるストレッチ。
  • スマートフォンの使い方改善: 片手での操作は親指や手首に負担をかけるため、できるだけ両手で操作するように心がけましょう。
  • 温める・冷やす: 急な痛みや熱感がある場合は冷湿布などで冷やし、慢性的なこわばりには温めることが血行改善に繋がります。
  • 市販薬の使用目安: 痛み止めや湿布などの市販薬を使用する際は、用法・用量を守り、症状が改善しない場合は早めに医療機関を受診してください。

よくある質問

Q1. 腱鞘炎は自然に治りますか?

A1.軽度なものであれば、安静にすることで自然に症状が改善することもあります。しかし、症状を放置すると悪化し、日常生活に支障をきたしたり、治療に時間がかかったりする可能性もあります。痛みが続く場合は、早めに受診されることをお勧めします。

Q2. ばね指とド・ケルバン病は同じ腱鞘炎ですか?

A2.はい、どちらも腱鞘炎の一種です。ばね指は指の付け根の腱鞘に炎症が起こるもので、指の曲げ伸ばしに引っかかりが生じます。ド・ケルバン病は手首の親指側の腱鞘に炎症が起こるもので、親指を動かす際に痛みが強くなるのが特徴です。

Q3. 腱鞘炎の予防法はありますか?

A3.手や指の酷使を避けることが最も重要です。長時間の作業ではこまめに休憩を取り、ストレッチを行うなどして、手首や指への負担を軽減しましょう。スマートフォンの使い方や、家事・仕事の姿勢なども見直すことが予防に繋がります。

Q4. 腱鞘炎の治療はどのくらいの期間かかりますか?

A4.症状の程度や治療法によって異なりますが、数週間から数ヶ月かかる場合があります。早期に治療を開始することで、回復を早めることができます。根気強く治療を続けることが大切です。

Q5. メカマクリニックでは、どのような検査ができますか?

A5.当院では、問診、触診に加え、エコー検査で腱や腱鞘の状態をリアルタイムで確認し、レントゲン検査で骨の状態を詳しく調べることが可能です。患者様の症状に合わせて適切な検査を行い、正確な診断に繋げます。また、当院は整形外科と内科、脳神経内科が連携しており、複合的な症状に対しても包括的なケアが可能です。必要に応じて、MRI検査やCT検査といった高度な画像診断も院内または連携施設にて対応しております。

Q6. 手術は避けたいのですが、保存療法で治りますか?

A6.多くの場合、保存療法で症状の改善が見られます。当院では、患者様のご希望や症状に合わせて、まずは保存療法を積極的に行います。体外衝撃波治療などの先進的な治療も導入しており、できる限り手術をせずに済むよう努めています。

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