姿勢・動作指導
腰痛・肩こり・頭痛と姿勢の関係
現代社会では、デスクワークやスマートフォンの使用時間の増加により、私たちの姿勢は知らず知らずのうちに悪くなりがちです。特に「長時間同じ姿勢を続けると腰が痛くなる」「座っている方が腰が痛くなる」といった経験はありませんか? これは、姿勢によって椎間板(背骨の骨と骨の間にあるクッション材)にかかる負担(圧力)が変化するためです。悪い姿勢を長時間続けたり、急激な圧力が加わると、椎間板内圧が上昇し、腰痛や肩こり、頭痛といった様々な不調を引き起こす原因となります。
椎間板内圧と姿勢の関係
立っている時の椎間板内圧を100とすると、座っている時は140と、座位の方が腰への負担が大きくなります。さらに、前かがみでの座位や腰を曲げて重いものを持つ動作などは、立位の2倍以上もの腰への負担がかかると言われています。
また、悪い姿勢は腰痛だけでなく、猫背や反り腰、ストレートネックの原因にもなり、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。さらに、実年齢よりも老けて見えたり、血流が悪くなったり、基礎代謝が低下したり、疲れやすくなるといったデメリットも考えられます。
これらのことから、日頃から椎間板内圧が小さい姿勢や動作を心がけ、腰に負担をかけない方法を身につけることが、腰痛をはじめとする体の不調の軽減・予防に不可欠です。
理想的な姿勢について
では、「良い姿勢」とは具体的にどのような姿勢を指すのでしょうか? 良い姿勢には、力学的に安定していること、生理的に疲労しにくいこと、医学的に健康であること、心理的に心地よいこと、作業効率が良いことといった要素が挙げられます。
立っている時の理想の姿勢
- 横から見た場合: 耳の後ろにある乳様突起、肩の先端にある肩峰、大腿骨の付け根にある大転子、膝関節の前方(膝蓋骨後面)、くるぶしの前方(外果の前方)が一直線になる姿勢が良いとされています。
- 背中から見た場合: 後頭部の出っ張り(後頭隆起)、背骨の棘突起、お尻の割れ目(殿裂)、両膝関節の内側の中心、両内くるぶしの中心が一直線になる姿勢が良いとされています。
ご自身で姿勢を確認する方法として、壁に背中をつけた際に、腰に手が簡単に入ってしまう、または頭が壁につかない場合は、猫背や反り腰、ストレートネックなどの「悪い姿勢」になっている可能性があります。
姿勢が悪くなる原因と自宅での対処法
スマートフォンやパソコンの長時間使用は、画面をのぞき込むような姿勢になりがちで、巻き肩の原因にもなります。操作する機器はなるべく目線の高さに合わせ、首が前に出ないよう意識することが大切です。また、背中を丸めただらしない座り方も巻き肩を悪化させ、胸の前が硬くなることで胸郭や背骨の動きに悪影響を及ぼし、腰痛の原因となることがあります。背筋を伸ばして正しい姿勢をキープすることで、背中の筋肉や腹部の筋肉も同時に鍛えられます。
姿勢を良くするためには、首や肩周り、股関節周りのストレッチと、「腹筋」「大腿四頭筋」「脊柱起立筋群」「大殿筋」「下腿三頭筋」といった、重力に抗するための筋肉(抗重力筋)を鍛えることが重要です。
姿勢・動作指導の診断と検査について
当院では、患者様の姿勢や動作に関するお悩みを解決するために、医師の診察指示に基づき、専門スタッフである理学療法士が姿勢のチェックや動作の検査を行います。手足のしびれや筋力低下の原因を探るために、神経伝導速度検査や筋電図検査を行うこともあります。また、腰痛や肩こり、頭痛の原因が骨や神経の圧迫によるものでないかを確認するため、必要に応じてレントゲン検査、MRI検査、CT検査などの画像診断を行います。特に当院では、MRI検査は午前中のご相談で当日中に実施できる場合がありますので、お気軽にご相談ください。
姿勢・動作指導の治療法について
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な姿勢・動作指導と治療を提供しています。
専門スタッフ(理学療法士)による指導
- 姿勢指導: 座位姿勢や就寝姿勢など、日常生活における正しい姿勢を指導します。
- 動作指導: しゃがみ込み方や物の持ち方など、腰に負担をかけない動作を指導します。
- 椎間板内圧を減らす方法の指導: 腰への負担を軽減するための具体的な方法をお伝えします。
- 腰痛予防に効果的な体操の指導: ご自宅で簡単にできる体操や身体ケアの方法を指導します。
- セルフケアの指導: 日常生活で実践できるセルフケアの方法をアドバイスします。
治療(筋・筋膜アプローチ、関節アプローチ)
理学療法士による専門的な治療として、筋肉や筋膜へのアプローチ、関節へのアプローチなどを通して、痛みの軽減と機能改善を目指します。
よくある質問
Q1. 姿勢が悪くなると、どのような症状が出ますか?
A2. 腰痛、肩こり、頭痛、首の痛み、手のしびれなどが挙げられます。また、血流が悪くなったり、疲れやすくなったりすることもあります。
Q2. 自宅でできる対処法はありますか?
A3. 首や肩周り、股関節周りのストレッチや、腹筋、背筋、大腿の筋肉などを鍛える簡単な体操が有効です。スマートフォンやパソコンを使用する際は、目線の高さに合わせるなど、姿勢を意識することも大切です。
Q3. どのような時に受診を検討すべきですか?
A4. 長時間姿勢を保つのが辛い、腰痛や肩こり、頭痛が慢性化している、手足にしびれがある、などの症状があれば、お早めに医療機関を受診されることをお勧めします。